水の郷百選は、水を活かした街づくりに貢献している地域の百選(厳密には107地域)です。具体的には、自然に存在する水環境の保全に努めていること、その地域が水に密着した生活を形作っていること、歴史や文化の観点から水環境に価値を見出せること、などが選定の基準となっています。対象は河川、湧水、湖、
森林、
水田、地下水、水路、池など。特に、水を活かした特産品によって町おこしに取り組んでいる地域や、水に関係する祭り、伝統芸能を継承している地域などが重点的に選ばれています。
この他、治水のシステムが
自然環境と人間の共存に寄与しているケースや、歴史のある
運河、用水路、
ため池、棚田なども選考の対象となっています。必ずしも観光スポットとして有用な場所ばかりではありませんが、日本における人と水の関わりを考える上で興味深い百選といえるでしょう。この百選を参考にしながら、古来先祖より生活の知恵として継承されてきた日本特有の水文化を、もう一度考え直してみてはいかがでしょうか。
世界的に見ても水に対する需要は向上しており、環境問題の叫ばれる今だからこそ、飲用も含めて新たな知見が求められているのかもしれません。この百選がその契機となることを願うばかりです。