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未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」は、水産庁が2006年に選定した、歴史的・文化的な観点から価値の高いとされる漁村に関する文化財の百選です。選定の対象は全国から公募され、伝統的な施設や建築物、神社、仏閣、史跡などが選ばれています。必ずしも水産業に直接利用されているものばかりではなく、漁村にゆかりのある文化財も数多く含まれています。
全体的には土着性を重視した百選であり、必ずしも観光に向いたものばかりが紹介されているわけではありませんが、後世に漁村の文化を伝える百選として、その意義は歴史に資する部分が大きいといえます。船舶などは対象となっていませんが、漁法など無形の文化財もいくつか選定されています。この百選を一覧すれば、奥深い日本の漁業文化の一端を垣間見ることができるでしょう。
観光向けの人気スポットとしては、姫島七不思議(
大分県)、宗像大社(
福岡県)、住吉神社(
兵庫県)、琵琶湖(
滋賀県)などが挙げられます。近年、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれたことによってその価値が見直された文化財も多く、後世に貴重な文化を継承しようという当企画の目論見は、見事に成功したといえるでしょう。