「
人と自然が織りなす日本の風景百選」とは、愛・地球博の一環として、2005年に一般公募の中から選ばれた風景百選です。日本の歴史の中で、自然と人々の共生によって、いわば「人間の生活の一部に溶け込んでいる風景」が選ばれました。その目的は「自然の叡智」をより深く理解することにあります。
候補地は実に1071箇所に及び、その中からより地域の生活に根ざした、歴史ある100ヶ所が選定されました。その対象は、
田園風景、神社仏閣、町並み、山林、祭りの風景など、バラエティに富んでいます。
必ずしも観光の名所となるような風景ばかりではありませんが、それらの風景が後世に残すべき有形・無形の財産であることは間違いありません。古きよき時代を偲ばせる懐かしい風景(
新潟県上越市雁木のある町並みなど)もあれば、自然の厳しさを教えてくれるような荘厳な風景(京都を護る霊峰比叡山)も含まれています。
もちろん、
奈良県「法隆寺のある風景」や、
鳥取砂丘など、観光名所も数多く選定されています。あるいは、原爆ドームや平和記念公園のように、歴史的に意義のある建造物も対象となっています。日本という国の成り立ちを敷衍して眺めることの出来る百選といえるでしょう。