都市景観100選は、都市空間のデザインが優れている地区を選定した百選です。歴史、文化的な価値のみならず、生活空間としての工夫、機能性なども選定の基準に含まれています。いわば街づくりのお手本として選ばれた百選といえるでしょう。
選定は国土交通省により1991年から2000年まで、約10年かけて行われました。必ずしも観光に寄与する百選ではありませんが、美しい夜景や伝統ある町並みなど、様々な観点から選定が行なわれています。住みよい街を知るうえでも参考になる百選といえるでしょう。
いわゆる「パブリックデザイン」を基調として選ばれた百選なので、景観百選といっても観光客に分かりやすい形で美しい風景が広がっているとは限りませんが、その町や地域ならではの風情を感じられる景観も少なくないようです。もし、観光でこれらの百選を訪れるのであれば、町歩きを楽しむつもりで、じっくり時間をかけて堪能してみると良いかもしれません。都市景観100選に選ばれた地域には条件の良い不動産が多いことでも知られており、業者間では優良物件のガイドブックとして利用されている向きもあるようです。ちなみに、都市景観100選の後継企画として「美しいまちなみ賞」も国土交通省主催で行なわれています。