音響家が選ぶ優良ホール100選とは、音楽家の観点から「使いやすいホール」を選定した百選です。具体的には、音響設備がしっかり整備・維持されていること、音響スタッフが優れた技術を有していること、スタッフが音楽家と密にコミュニケーションを行い、上演内容に深い理解を示していること、などが選定基準に挙げられます。観客の立場からではなく、あくまで音楽家の立場から見て優れたホールが選ばれている、という点に特徴があります。
選定対象には規模の大きな有名ホールもあれば、小規模でそれほど名の知られていないホールも含まれています。観光の対象となるような百選ではありませんが、いかにも音楽通好みの少々風変わりな選定といえるでしょう。
音響家が選ぶ優良ホール100選は、日本に全国に存在する2500以上の劇場、ホールの中から、日本音響家協会が選定を行ないました。専門家の基準で選ばれている百選ではありますが、施設が適正に運用されている(音響効果が優れている)という点においては、一般の方も音楽鑑賞の際に参考となる百選といえます。歴史的、文化的な価値以上にスタッフ(人材)の能力が重視されているという点については、数ある百選の中でもかなり特異な存在といえるでしょう。