福岡県は、自然と都市が調和した地域として、多くの生きものたちが息づく環境が広がっています。「
ふるさといきものの里百選」に選ばれた場所では、生態系を守りながら地域の魅力を発信する取り組みが進められています。これらの里を訪れると、自然の力強さと繊細さを同時に感じることができます。
大牟田市にある「トンボ自然公園」は、多様なトンボが生息する湿地環境として全国的にも知られています。この公園では、40種類以上のトンボが確認されており、訪れる人々は色とりどりのトンボが飛び交う様子を間近で楽しむことができます。地域の住民や専門家による湿地の保全活動が続けられており、トンボたちが安心して暮らせる環境が維持されています。特に夏の晴れた日には、トンボの羽が陽光を浴びて輝き、自然の美しさを際立たせます。
福岡市を流れる「室見川中上流一帯」では、初夏の夜になるとホタルが幻想的な光を放つ景色が広がります。このエリアは、都市に近いにもかかわらず清流が保たれており、ゲンジボタルやヘイケボタルが多く生息しています。地元住民やボランティアが水質保全や草刈りを行い、その成果としてホタルの数が安定しています。川沿いの散策路では、夜の静寂の中でホタルの光を楽しむ人々の姿が見られます。都市生活の中でこれほどの自然を感じられる場所は貴重です。
みやま市の「小熊野川ホタルの里」では、清らかな川の流れを背景に、ホタルが舞う幻想的な光景を楽しむことができます。この里では、地域の人々が清流の維持と自然環境の整備に力を注いでおり、毎年多くのホタルが訪れる人々を魅了しています。ホタル観賞会も行われ、自然とのふれあいを通じて地域の魅力が発信されています。川沿いで見られるホタルの光は、心に残る特別な体験を提供してくれます。
これらの里は、福岡県が誇る自然の宝庫であり、地域の人々の努力によってその美しさが守られています。訪れることで、自然の大切さや地域の取り組みを肌で感じることができるでしょう。福岡を訪れる際には、ぜひこれらの里を巡り、生命の輝きに満ちた景色を楽しんでみてください。