熊本県の「
ふるさとおにぎり百選」に選ばれた「南関揚げ巻きずし」「このしろの姿ずし」「高菜飯」は、それぞれ地元の風土と人々の知恵が生み出した味わい深いおにぎりです。
「南関揚げ巻きずし」は、熊本県南部の特産である南関揚げを使用した巻きずしで、南関揚げのふっくらとした食感と独特の風味が楽しめます。南関揚げは通常の揚げよりも厚みがあり、巻きずしにするとしっかりとご飯を包み込み、外側の揚げの風味が染み込んだ絶妙な味わいが特徴です。保存が利くため、お弁当や遠足の定番としても親しまれてきました。南関の人々が長年培ってきた技術が詰まった、地域色豊かな一品です。
「このしろの姿ずし」は、熊本の伝統的な郷土料理である姿ずしの一つで、このしろという魚を丸ごと使用しています。このしろは、独特の風味と脂の乗りが特徴で、酢で締めることでさらに旨味が引き立ちます。魚の姿がそのまま残るため、見た目にも迫力があり、祝いの席でもよく見られる一品です。ひと口食べると、酢のさっぱりとした味わいが魚の旨味と調和し、昔から受け継がれてきた熊本の味を感じることができます。
「高菜飯」は、熊本の名産品である高菜を使ったおにぎりで、塩味が効いた高菜の葉がご飯に混ぜ込まれ、食欲をそそる香りが広がります。高菜のシャキシャキとした食感が楽しめるのも特徴で、ご飯との相性が抜群です。おにぎりにすると、ほどよい塩気が利いており、冷めても美味しさが損なわれないため、熊本の家庭料理としても親しまれています。高菜の風味豊かな味わいは、地元ならではの深い味わいが感じられます。
これらの「ふるさとおにぎり」は、熊本の自然と文化、そして伝統の味わいを凝縮したものです。土地に根付いた食材と調理法が織りなす豊かな風味が広がり、熊本の風土や食文化の奥深さを改めて感じさせてくれます。