とちぎも他の都道府県に負けず劣らず、まつりの多い県として知られています。関東の北に位置するとちぎは県北部に急峻な山地をいくつも抱いており、宗教信仰が生まれ、修行の地としても利用されてきました。その歴史は鎌倉時代にさかのぼり、江戸時代には将軍が祀られたことをきっかけに一層その地位を高めていきました。とちぎのまつり100選の中には、このような信仰と相まって発展してきたまつりも数多く存在します。修行の一環として行われてきた素足で火や熱した灰の上を渡る火わたりや、山伏の修行の様子の再現などもその1つと言えるでしょう。また、神にささげるための舞や神楽もとちぎのまつり100選の中には随所に見られます。
とちぎのまつり100選には他にも、伝統芸能を一堂に会したものや大名行列に扮するといった歴史や伝統に起因するまつりも多数存在しています。これらは独自の文化の中で時代と共に発展を遂げ、変わらぬ伝統と新たなまつりの癒合を導き出している点で特徴があると言えるでしょう。それは、とちぎが観光地として早くから認知されており、明治時代には既に国外からも注目を浴びていたことからもわかります。まつりの規模が大きくなるにつれ、現代的な要素を取り込んだダンスや歌の披露が行われるようになり、その取り組みは40年以上続くものもとちぎのまつり100選の中には存在しているそうです。花火大会もそうした取り組みを行っている1つと言えるでしょう。その他、四季折々の花を愛でるまつりなども、とちぎのまつり100選は多彩なラインナップとなっています。