長崎新観光百選は1979年に長崎観光連盟や新聞社などが協賛し、市民の意見を参考に長崎の魅力を未来につなげるために観光名所を100か所選出したのが長崎新観光百選です。長崎県は本州の最西端に位置することから、三英傑の一人に数えられる織田信長が活躍をした安土桃山時代から南蛮貿易の拠点として栄えた歴史を持ちます。そのため長崎新観光百選には、日本とヨーロッパとの関わりが深いことが理解できる歴史的建造物として、武器を含めたヨーロッパの物資を流通させたグラバーが住んでいた「グラバー亭」や「オランダ坂」などが選出されています。
外国との交流の始まりの地というだけでなく、長崎新観光百選は長崎県の特異な国土を表す場所も選ばれています。長崎県は日本海と南シナ海の海流がぶつかり合う場所にあることから、潮の流れが速いという特徴があり、海岸線の入り組んだ地形が広がる「琴海のリアス式海岸」や「塩俵の断崖」が選ばれています。そして海で生活をするということは危険と隣り合わせなので、漁業の安全を守る「弓張岳展望台」や「|伊王島灯台」があります。
長崎県は古くから外国との貿易拠点として栄えた歴史を持ちますが、ただ長崎県を語るうえで外すことが出来ない観光名所があります。その観光名所というのが、長崎新観光百選に選ばれている「平和祈念像」です。日本が長らく語り継がなければならない出来事と言えば、アメリカ軍による原爆投下です。原爆投下により数万人以上の人間が亡くなっただけでなく、降り注いだ放射能により被爆者が多数生まれ今日に至るまで影響を及ぼしています。平和祈念像は戦争の悲惨さを伝えるだけでなく、原子爆弾が使われないことや平和への願いを未来につなげる重要な場所であるため、長崎新観光百選に選出されているのです。